量販ソフトと開発システムの違い

実はシステム開発業者のお困り事でけっこう多いのが、最初の問い合わせの中で「量販ソフトと業務システムの違いがよくわかっていない」ことがあります。

 

下記表をご覧いただき、量販ソフトと業務システムの違いをご理解ください。

業務システム

量販ソフト

名称 開発システム パッケージシステム
その他名称 フルスクラッチ 自社パッケージのカスタマイズ
洋服に例えると オーダーメイド イージーオーダー 既製品
建物に例えると 建築士設計のこだわり住宅 プレハブ住宅 プレハブ物置
価格帯 百万円単位~ 数十万円単位~ 数千円~数万円
ラインナップ 大型案件では金融機関のシステム等があるオーダーメイドとなるため、あらゆる内容に対応できる 定番は複数の商品がある 財務会計、原価管理、税申告、固定資産管理、人事管理、勤怠管理、給与計算、販売管理、仕入在庫管理、顧客管理※定番は充実している
長所
  • 自社に合わせることができるので、業務内容が自社独自のものが多い、あるいは将来多くなる場合、後々必要な機能を追加する場合、柔軟に対応することができる
  • 従って、使い勝手がよく、長く使うことができ、結果的にパッケージシステムより安くつく場合がある
  • 他の開発システムとの連携、リンク、データ利用が容易
  • 複数拠点、複数部門を縦断する複雑なシステムを構築することができる
  • ユーザインターフェイス(見た目、操作性、使い勝手)が希望通りになる

 

  • 同業種に稼働実績があり、テストも十分にされているのでトラブルが少ない
  • 同業種のベストプラクティス(最も効率のよいやり方)が反映されている場合が多い
  • 一般的に価格も開発システムに比べて安い
  • ほとんど完成されているので導入期間が短い

 

  • 安価
  • 入手しやすい
  • サポートが受けやすい
  • 参考書が充実している
短所
  • 単純に考えて価格は割高になる(対策⇒複数業者から提案を出させる)
  • 価格、最終的な出来栄え、アフターフォロー等開発業者次第(対策⇒事前に開発業者をよく吟味する)
  • 開発期間が長くかかる(対策⇒入念な打ち合わせにより無用な後戻りややり直しを避ける)
  • 安定稼働に日数がかかる場合がある(対策⇒入念なテストが重要)
  • 業者変更がしにくくなる(対策⇒ドキュメント整備が必要)
  • ハードウエア等の稼働環境に合わせ過ぎた開発手法の場合、環境を変えることができない(対策⇒柔軟な開発が必要)
  • 開発業者に手持ちシステムがなければ対応できない
  • 機能追加、バーションアップ、カスタマイズのとき費用がかかり、場合によっては開発システムより高くつく場合がある
  • 自社独自の業務処理に対応できない場合がある
  • データベースを選べない場合がある
  • 他の業務システムとデータをやり取りするのが難しくトラブルになりやすい場合がある
  • システムを業務に合わせるのではなく、業務をシステムに合わせなければならない場合がある
  • 業者変更はできない
  • 不要な機能までついてくる
  • パッケージシステムと開発システムを連携させる方法もあるが、中途半端になる場合もある
  • パッケージシステム販売業者の中には自社独自開発をしない場合もあるので、上記連携はより難しくなる
  • 業務が大がかり、複雑になるほど対応できない
  • 企業の根本的な業務の問題は解決しない